「若い世代は結婚したがらなくなった」
そんな言葉を耳にすることが増えました。
実際、2026年9月11日に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「第17回出生動向基本調査」では、18~34歳の未婚者で「いずれ結婚するつもり」と答えた割合が、男女とも8割を下回りました。
男性は75.1%、女性は77.8%。
前回2021年の男性81.4%、女性84.3%からも低下しています。
では、結婚を望む人が減っているなら、婚活も減っているのでしょうか。実は、そうとも言い切れないデータがあります。
今回は、20年にわたる結婚意識の変化と、現在の婚活市場の動きから、「2026年の婚活」がどう変わっているのかを考えてみます。
18~34歳の未婚者に「いずれ結婚するつもり」と尋ねた結果です。
| 2005年 | 2010年 | 2015年 | 2021年 | 2025年 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 男性 | 87.0% | 86.3% | 85.7% | 81.4% | 75.1% |
| 女性 | 90.0% | 89.4% | 89.3% | 84.3% | 77.8% |
※18~34歳の未婚者。「いずれ結婚するつもり」と回答した割合。
※国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」より作成。
2005年には、男女とも9割前後。それが2025年には、男性75.1%、女性77.8%まで低下しています。20年前と比べると、「いずれは結婚する」という考え方そのものが、明らかに変化していることが分かります。
ただし、ここで一つ注意したいのは、「結婚したい人が減った=若者は結婚に興味がなくなった」と単純には言えないことです。
今回の調査では、「一生結婚するつもりはない」と回答した人も、男女とも2割を超えました。
一方で、その人たちの約4割は、「将来的に『いずれ結婚するつもり』に変わる可能性がある」と回答しています。
つまり、「今は結婚しない」と「絶対に結婚しない」は、必ずしも同じではありません。結婚が人生の“当たり前のコース”ではなくなったからこそ、
「自分は結婚したいのか」
「どんな相手となら結婚したいのか」
「どんな生活を送りたいのか」
を、自分自身で考える人が増えているのかもしれません。
もう一つ、今回の調査で興味深い変化があります。結婚に「利点がある」と考える割合は、男性では6割台から5割台へ、女性では7割台から6割台へ低下しました。特に、
・子どもや家族を持てる
・精神的なやすらぎが得られる
・経済的に余裕が持てる
といった結婚のメリットは減少しています。一方で、「愛情を感じる人と暮らせる」というメリットは増えています。ここから考えられるのは、結婚そのものを目的とするのではなく、「自分が一緒にいたいと思える人と暮らしたい」という価値観が、より重視されるようになっている可能性です。
結婚の形が変わったというより、「結婚に何を求めるのか」が変わってきた、と考えることもできそうです。
結婚に対する価値観だけではありません。「どうやって出会うか」も変化しています。
第17回出生動向基本調査では、調査時点から過去5年間に結婚した初婚同士の夫婦について、アプリなどを含む「ネットを通じて知り合った」割合が20.2%となりました。前回調査では11.0%だったため、大きく増えています。
つまり今は、
「職場で出会う」
「友人から紹介してもらう」
だけが出会いではありません。マッチングアプリや結婚相談所など、「自分から出会いの場を選ぶ」ことも、以前より自然な選択肢になっています。
ここが、今回一番注目したいポイントです。日本全体では「いずれ結婚するつもり」と考える18~34歳の割合が低下しています。一方、結婚相談所の市場では、20代の活動が増えています。
IBJでは、過去5年間で20代の入会者数が、
女性:約1.9倍
男性:約3.4倍
に増加しています。
さらに2026年5月には、IBJのお見合い件数が月間102,013件となり、初めて10万件を突破しました。前年同月比では14.5%増です。もちろん、これは日本の20代全体を表す数字ではありません。IBJという一つの婚活ネットワークにおけるデータです。それでも、「結婚したい人の割合は低下しているのに、結婚を望む人の婚活行動は活発になっている」という変化を見る材料にはなります。
なぜ、若いうちから婚活を始める人が増えているのでしょうか。IBJは、マッチングアプリの普及によって婚活そのものへの心理的なハードルが下がったことに加え、「初めから結婚意欲の高い相手と効率的に出会いたい」という若年層のニーズが背景にあるとしています。
つまり、「恋愛をして、いつか自然に結婚する」だけではなく、「結婚を考えられる相手と出会いたいから、出会い方を選ぶ」という考え方が広がっているとも言えます。
20代だから婚活は早い。
そんな考え方も、少しずつ変わっているのかもしれません。
私たちが婚活のご相談を受けていると、「結婚したいけれど、出会いがない」という相談だけではありません。
「仕事が忙しくて、自然な出会いを待っている時間がない」
「マッチングアプリだと、結婚に対する温度感が合わない」
「まだ20代だけど、将来を考えられる相手と出会いたい」
など、
「結婚できるかどうか」ではなく、「自分が望む結婚にどう近づくか」を考えて活動を始める方もいます。婚活は、結婚できない人が最後にするもの。
そんなイメージから、「自分の人生設計に合わせて、出会い方を選ぶもの」へと変わりつつあるのではないでしょうか。
結婚することが、すべての人にとっての正解ではありません。結婚しない人生も、一つの選択です。だからこそ、「周りが結婚しているから」ではなく、「私はどうしたいのか」を考えることが、これまで以上に大切になっています。
もし、「いつかは結婚したい」と思っているなら、その「いつか」をただ待つのではなく、
どんな人と出会いたいのか。
どんな生活をしたいのか。
いつ頃までに結婚したいのか。
少しずつ言葉にしてみる。
2026年の婚活は、「結婚するのが当たり前だから婚活する」のではなく、「自分が望む人生を選ぶために、出会い方を選ぶ」時代へ変わり始めているのかもしれません。
結婚する・しない。
いつ結婚する。
どんな人と結婚する。
その選択肢が以前より自由になった今だからこそ、自分自身の「こうしたい」を大切にした婚活を始めてみるのも、一つの方法です。